'07.04.04 ヒロミ(小雪さん)が乗り込むシーンのためのセット '07.04.04 だんだん駅になってきました
'07.04.04 初めて見てわかったのですが、ちょこちょこと改造されてます。 '07.04.13 線路施設中
'07.04.13 まっすぐ、まっすぐと唱えながら・・・ '07.04.13 線路の施設が終わり《こだま》登場!
ピンボケですんません
'07.04.14 照明の親方 水野氏登場 '07.04.14 てきぱきと指示を出す親方
'07.04.14 何気に同じポーズの「ロボット」の
ポストプロダクションプロデューサーの鶴岡氏。
色々お世話になりました。
'07.04.14 日活調布スタジオの受付
風情があります
'07.04.14 この日に別のスタジオで収録があったんでしょうね。
'07.04.14 日活に来たんだなぁと、実感したところです。吉永小百合さんや、高橋英樹さんもここで撮ったのかな?なんて。本当なら東宝撮影所のはずですが、この日、20mのレールが敷ける大きなスタジオがここしか空いてなかったからここになったらしいです。
'07.04.14 ここが13スタジオです。 '07.04.14 駐車するための場所取りコーン
'07.04.14 きょうは照明の準備日となりました。同日、晴海でクラシックカーの撮影をしたそうです。 '07.04.14 2時頃、今日の準備が終わったので
鶴岡氏に無理を言って、映画にも出てくる東京タワーに連れて来ていただきました。怖!
'07.04.14 鉄骨が美しいデス。 '07.04.14 青空とのコントラストがみごと!
'07.04.15 いよいよ本番? '07.04.15 でも、それまでがなかなか大変。
'07.04.15 照明の親方、水野氏が、模型の汚しをした白組、林氏と相談中。たぶん神戸の実車の
《こだま》との兼ね合い?
'07.04.15 合成画面を見ながらチェック中の
山崎監督と白組の渋谷氏。
'07.04.15 照明の道具搬入。手前の女の人も照明さんの一員。ほんとに皆で作っていくんだなぁとだんだん実感中。そして緊張!
'07.04.15 本番前の《こだま》。緑色のコードはフィーダー線。 '07.04.15 ちょっと汚しすぎかな?とも思いますが、映画撮りではこれぐらいしなければならないそうです。やはり餅は餅屋ですね。
'07.04.15 ケータリングのお茶やお菓子。でも食べてるヒマはありません。 '07.04.15 監督の指示で、ライトを点灯しないように配線をはずしてるところ。
'07.04.15 なんでか撮られてる・・。 '07.04.15 本人は気づかないまま手術中!
'07.04.15 白組、林氏が最終チェック。 '07.04.15 照明は夕方を再現中。
'07.04.15 照明の色々な道具があちこちに登場 '07.04.15 万一《こだま》が落ちたときの為の対策で、木箱と毛布登場。エ〜ッ!
'07.04.15 直接真下に落ちるよりはと、木箱の上に毛布やふとんを敷いて対策。オイオイ!!
'07.04.15 緊張が高まってきました。 '07.04.15 照明の柴崎氏。アングルを見ているのかな。
'07.04.15 阿部プロデューサーも登場。かなりの鉄道マニア。特急《とき》のファンだそうです。 '07.04.15 スタジオの屋根です。
'07.04.15 もう終わりました。 '07.04.15 監督のお言葉です。
'07.04.15 お疲れ様でした。この日クランクUP
2006年11月下旬

Oスケールの製品やパーツを製作販売するためにWEB上に【HINODE MODEL】のホームページを立ち上げ、3年がかりでやっと出来上がったOJゲージ模型[ビジネス特急モハ20系《こだま》号]を掲載しました。
その後、すぐに[ROBOT]という映画制作会社のプロデューサー鶴岡氏から電話があり、「ホームページにあるOJゲージのモハ20系《こだま》はありますか?実は、今製作中の映画に使いたいのです。映画の時代設定が昭和34年なので151系では無く最初期の20系の《こだま》を探していたのです。」とのこと。あまりに専門的な事を言われるので、始めは眉唾物かな?と疑ったりもしましたが、色々お話を聞くうちに本当だとわかってきました。
確かにクロが大阪方先頭車の151系の登場は昭和35年ですし、HOスケール以下ではどう頑張っても実感的には見えないそうで、たまたま昭和33年11月デビューのモハ20系《こだま》をOスケールで製品化しましたが、まさかこんな話が舞い込むとは・・・。
[ROBOT]の代表でもありエグゼクティブ・プロデューサーの阿部秀司氏がかなりの鉄道マニアで、前作で登場したC62も梅小路蒸気機関車館で動態保存中の2号機(日立製)のナンバーや製造銘板を変えて、当時常磐線に居た22号機(川崎製)に化けさせて撮影し、鉄橋を渡るシーンでは、1番ゲージのライブスティームを走らせて撮影したほどのこだわり様で、なるほど151系で妥協できないのも頷けます。

「販売しない予定の試作品が一編成あります。それで良ければ、どうぞ。」
「では、一度拝見させていただきます。」


そして2007年3月下旬に山崎監督や、山際プロデューサー、VFX担当の渋谷氏、柴崎カメラマンなど10人ほどが実際に模型を見に家に来られ、「やっぱりほんまやったんや〜」と認識しました。前作は映画館で見ていましたし、山崎監督を真近で見て芸能人にあった時のようにドキドキしたのを昨日のことのように思い出します。

模型の撮影は、4月15日に決まったのですが、その前に実物を使っての撮影が4月4日(水)に地元神戸の川崎重工兵庫工場で行われました。
4月4日は、小雨混じりのとても寒い日でした。
ヒロミ役の小雪さん(背が高くてすっごいきれいでした)が、東京に未練を残しながら8号車に乗り込み大阪に行ってしまうシーンです。
実はこの時まで川崎重工の実車の《こだま》(クハ26001・改番でクハ181−1になっています)がこの場所に移動されているのを地元に住んでいて知りませんでした。
以前は、工場の奥に展示されていて、普段一般公開はしていなかったのです。
新社屋が3月に竣工し、つい数日前にこの駐車場横に展示されたそうです。
つまり、ここに移動されていないと撮影には使えなかったのです!
この偶然だけでも、今回の映画には神が降りてきている!と思わざる負えません。
これからは、いつでも《こだま》に会いに行けます。
「会いたい電車がいる。待ってる電車がいる。」


4月上旬


鶴岡氏が撮影に先駆け[白組](テレビCM、映画、イベントの大型特殊映像等の制作会社)でウエザリング(汚し)を掛けるため、《こだま》を引き取りにお1人で神戸まで来られました。
撮影時に少しでも光ってしまうとオモチャに見えてしまうそうで、
「かなりきつく汚しますけどよろしいですか?」
「お任せします。存分にやって下さい。記念にそのまま保存しますので、元に戻さなくても良いですよ。」
映画で使う物へのウエザリングがどんなものか?映画のプロの技術共々興味が湧きます。
鶴岡氏が泊まられたホテルでは、車上荒らしを警戒し、模型を部屋まで持ち込まれるほどの厳重扱い。ありがたいことです。

そして、いよいよ走行シーン撮影のために、4月13〜15日にレール施設の工具やトラブルがあった時のための道具を山盛り車に積んで、12日(木)13時に神戸を出発し、家内と息子と3人で、運転は家内と交代しながらのんびり8時間かけて調布まで行きました。
この日は木曜日だったのですが、小6の子供の授業が昼までで、夕方出発のつもりが昼出発となりラッキーでした。当然、本業は数日臨時休業!ええんかいな・・・!


4月13日(金)
ついに映画撮影のために調布の日活スタジオに無事到着。
東宝の映画なのになぜ日活のスタジオ?と思いますよね。
実は、今回の《こだま》号の走行シーンは、模型が20mの直線を走る映像とCGの背景を融合させて作るそうで、この日に確保できる広いスタジオがここしか無かったとか。
近年は、各映画会社がお互い協力しあって日本映画を盛りたてようとされているとのこと。こういう動きは映画界だけではありませんが・・・。
とにかく見るものすべてがめずらしく、「へぇ〜、はぁ〜、ほぉ〜」の連続でした。
No.13スタジオにはすでにレール施設用の台が美しく出来上がっており、それを見るなり、仕事仕事と気を引き締めて一心不乱にレールを打ち付けました。
私自身、ゴジラやガメラ世代で、怪獣が破壊する街にワザとらしく通りかかって、たたき潰される列車を何度か見ていますが、いつも感じていたのは、ミニチュアの宿命で車輌が左右にフラフラ揺れながら走る様が正に「オモチャ!」と思わせる最大の要因です。
今回は画面の右から左へ直線を遠ざかって行くシーンということなので、その点では比較的楽ちんでした。
実物のように1輌1輌の高さを厳密に揃え、左右に揺れないようフレキシブルレールをピシーッ!!と真っ直線に敷くことが最重要です。
ということで神戸から2m位の真っ直ぐな木の板と20mの糸を持って行き、それを治具にしてレールを慎重に施設しました。
20mもの距離ですからかなりの電圧降下が起きますので、ほぼ中間あたりにフィーダーを追加しておきます。
レールの敷設が終わり、テストのために全車輌を並べてみてDC0〜12Vを流しました。
本来なら走るはずですが、ウンともスンとも動きません(汗)。
なんでやろ?・・・・・・・・・・真っ青!
考えること数分!「まさか?」「えっ?」「やっぱり!」・・・なんと車輪全体までこってりウエザリング(汚し)がされていたのでした。オイオイ(今さら説明する必要もありませんが、二線式の鉄道模型が走る原理は、2本のレールに流された直流の電気を車輪から拾ってモーターを回して走るので、車輪のレールに触れる踏面が汚れていては絶対にスムーズに走りません。
そんなこともあろうかと神戸から積んできた道具にシンナーと綿棒もありました(綿棒はコンビニで大量に買い足しましたが)。
早々に宿に帰って、8輌32軸、車輪の数64枚を手作業で拭き取ります。
窓を全開にして、家内にも手伝わせ、夜中2時までかかりました。
これでまともに走るはず・・・。


4月14日(土)
今日は、朝から照明のチェックです。
照明の親方、水野氏の指示で晩秋の晴れた日の夕方というシチュエイションの光を作ります。 てきぱきとライトや幕が張られ、昼過ぎにOKとなりました。
心配だったテスト走行もバッチリ!スムーズに走りました。あとは本番を待つだけです。
この日は、晴天でしたので晴海でクラシックカーの走行シーンの撮影でした(雨なら今日が本番でした)。クラシックカーも見たかったのですが、そんなわがままは言えません
(因みに、スバル360に約30年乗ってます!)。
ずっとお世話をしていただいていた[ROBOT]の鶴岡氏が、「せっかく東京まで来ていただいたので、今日はどこか行かれませんか?」とうれしいご提案。ALWAYSの映画の象徴でもある[東京タワー]に一度行きたかったので案内して頂きました。
鈴木オートのご主人と同じく私も高い所は苦手ですが、遠く富士山まで見れて感動しました。「一か所に集まると傾かね〜か?」(笑)


4月15日(日)
いよいよ本番です。
この模型の《こだま》号は、コアレスモーターを車輪に吊り掛けており(ウォームギアは使っていません)、また全軸ベアリングを装着していますので、電源をオフにしてもすぐには止まりません(実物の《こだま》は平行カルダン駆動ですので実物で言う吊り掛け式ではありません)。
監督さんが「カット!」と言ってからいかにすぐに止めるか?
20mは、案外短すぎるのでした。
直線の片端で電圧をコントロールしますが、反対端は全く見えません。
一応、見えない側のレール端をジャンプ台の様に上にそり上げましたが、止めるための対策にはなりません。
銀河鉄道999の様に宇宙まで飛んで行きそうです。
結局、家内と子供に低反発素材のクッションを持たせて、「最悪の時はこれで止めろ!」となりました。
万一、壊れる事態が起きても家内がやったことなら、誰も気を遣う事はありませんし・・・。
何回か撮影しましたが、最後の撮影時、監督からカットがかからず、ついに家内の最初で最後の大きな仕事になってしまいました。
一同「危ない!!!」との悲鳴のような叫び声。5秒後に冷や汗タラ〜
何とか大事には至らず、無事終了。
肝心の本番は、上記のごとく一家総出で、写真を撮る暇もありませんでした(泣)。
この日[ALWAYS続・三丁目の夕日]のすべての撮影が終わりました。クランクUP!

そして半年経った10月15日(月)に東京・六本木ヒルズにある東宝シネマの試写会に招待され、模型とCGが融合した完成シーンを初めて大スクリーンで見ました。
ほんの10秒あるかないかのシーンですが、監督が言われた通り後半のとても大事なシーンでの登場だったので大感激しました。
あのシーンの存在で、ヒロミが東京から離れて行くことを観ている側に植えつけられるのだそうです。ウンウンナルホド
試写会直後、映画館内でJORCの木村則之さんにお会いして驚きました。
東京駅のシーンで湘南色の80系が窓外に映りますが、木村さんのOゲージ模型だったとお聞きし、JORCのメンバーが2人もこの映画に関わったとは、・・・すごいです!!

今回の話が来た12月から試写会まで長いようで短かった日々でしたし、一生に一度あるかないかの体験ができました。
おかげさまで、私にとって2007年は大変思い出深い一年になりました。
これで20系《こだま》の製品が完売できればバンザイですが・・・。
小学館刊行【ALWAYS STYLE】にも画像処理の詳細が載ってます。是非、一度ご覧ください。
駄文にお付き合いいただきましてありがとうございました。

映画撮影体験記